2009年6月10日~12日に開催された、
デジタルサイネージジャパン(於:幕張メッセ)に行ってきました。
総来場者数は13万人(同時開催イベント含む)を超え、注目の高さがうかがえました。
多様な出力デバイス
いまやデジタルサイネージの形は、通常のディスプレイ端末という枠組みでは語れません。当然、有機ELなど、ディスプレイ端末をより高画質に、より薄く、といった技術革新には目を見張るものがありますが、本展示において、3D技術や投影など、デジタルサイネージとしての新しい試みを確認することができましたので、ご紹介しましょう。出力手段が増えることで、新たなコミュニケーションが生まれる可能性を感じました。
3Dサイネージ

空中で手を動かすことで操作できるデバイス
コンテンツを3Dで配信するサイネージ。特別なフィルムめがねを装着しなくても、3Dの映像としてみることができます。複数の企業が3Dサイネージを出展していましたが、中でも空中に浮かんでいる物体を、手の動きで操作できるデバイスには驚かされました。まさに、映画「マイノリティリポート」の世界に近いものをそこに感じることができました。
人間型サイネージ

“投影された女性”がプレゼンテーションしてくれるサイネージ
遠目から見れば、まさに人間そのもの。上半身のみ後ろに設置されたプロジェクターで、映像が投影される仕組み(下半身は通常のボード)です。
WebでいうところのPIPといったところでしょうか?無機質に商品を紹介されるよりも、このように人間から発せられる情報のほうが、ユーザーとしては受け取りやすいように感じます。
シート型のサイネージ
通常は「乳白色」ですが、電流を加えると瞬時に「透明」になるシート。ガラスに張ったり、埋め込んで使用します。乳白色時にはプロジェクターで映像を投影できるので、アパレルショップであれば、ガラス張りのウィンドウディスプレイとデジタルコンテンツ配信を切り替える、ということが可能です。

乳白色⇔透明の切り替え
サイネージ×認証(計測)技術(1)
サイネージの特徴としてよく挙げられるのは、「時間」「場所」を特定して情報を発信できること。そこに、人の属性やシチュエーションも加味することで、よりパーソナライズされた情報発信が可能になると考えらえられます。
顔を認証する

顔を検出し「鼻めがね」をかけて写すサイネージ
九州工業大学の教授がテレビで紹介したことで有名になった顔認証技術。自動で顔検出機能が働き、映し出された人をキャラクターに変身させるといったものです。
「思わず見てしまう」という意味では、誘目効果は高いといえますが、それをいかにマーケティングに結びつけていくかは、今後の課題といえるでしょう。
色を認証する
天井に設置されたカメラで肌色を認識し、そこへ昆虫をピンポイントで投影するサイネージです。
範囲内であれば複数人同時に、投影することができます。
つまり、人体をディスプレイ代わりにできるということ。例えば、黒いスーツを着た人の背中に、広告を表示するなどの展開も考えられます。

肌色を検出して昆虫を投影
サイネージ×認証(計測)技術(2)
性別、年齢、見ている時間を測定する
サイネージを見ている人の顔を検出し、そこから性別・年代・広告を見た時間を測定できます。見ている人の属性に応じたコンテンツ配信や、従来のリアル広告では難しかった効果測定が可能になりました。

広告⇔測定結果表示の切り替えデモンストレーション(左)顔認証システムの測定結果表示画面(右)
距離を測定する

距離に応じたコンテンツ配信
サイネージ⇔人との距離を測定して、それに応じたコンテンツ配信する仕組み。例えば、人がサイネージに近づくにつれて、詳細な情報に切り替わっていく、ということが可能になります。
コンテンツ管理システム

デジタルサイネージのコンテンツ管理画面
Webブラウザ上で管理が出来るASP型のシステムです。どのサイネージ端末に、どのコンテンツを、どんなスケジュールで配信するか管理することが可能。GUIも直感的で分かりやすかったです。
現時点では、顔認証で人の属性や閲覧時間を測定して、それに応じてコンテンツを出しわけていく―というところまでは管理することは出来ないが、開発中とのことでした。今後が楽しみです。
おわりに
既存の技術をアドオンさせることで、デジタルサイネージを使ってできることはかなり増えてきました。単なる「電子看板」という枠を超えた、リアルとインターネットをつなぐコンタクトポイントとして、賢く活用していきたいものです。
とはいえ、サイネージの普及には、技術の標準化や権利に関する課題を解決する必要があります。2007年に設立されたデジタルサイネージコンソーシアムを中心に、ガイドラインやルールの整備が行われていますので、その動きにも注目していきたいと思います。




